医療費抑制策、地域医療構想対応、DPC制度下での病院運営等、医療環境の複雑かつ多様な変化によって、病院において求められる事務部への期待は、年々高まっているものと考えます。いわゆる従来の医療事務のみならず、健全経営のための専門的で高度な経営分析能力、或いは効率的システムの提案や管理、また将来目標や建築計画策定など、多方面にわたり、事務部がジェネラリスト&スペシャリストの集団であることが求められています。
そのために私達事務部は、全員が病院運営への参画意識を強く持ち、それぞれの分野において、必要な情報の収集及び共有を行い、常に危機感を改善意識に変え実行する事務部を目指しています。
私達は、赤十字病院の職員であるという誇りを持ち、「あらゆる人々の苦痛の軽減」のために使命感をもって業務にあたると共に、災害等有事の際はもとより日常のリスク管理に努めます。
また、特に受付部門や医事課、医療連携課等、直接患者さんと接する部門においては「病院のトップ(先端)である」という認識で、自らサービス向上に限界はないという強い信念で、業務改善を図ります。
事務部では、予算管理徹底のほか各課における目標管理と目標遂行の自己評価を実施しています。
2023年度の病院目標は「緊褌一番 ~気を引き締めた病院運営を~」で、事務部目標は「病院運営に発信できる組織体制に」です。課題認識のための意識向上を図り、将来を見据えた戦略的対応を実行していきます。
業務紹介
安定的病院運営を支えるのは、何と言っても「人」です。個性豊かで素晴らしい人材がチーム医療を実践して、病院の信頼を高め、病院の評価も上がることで、また良い人材を呼ぶという好循環サイクルが形成されるものと考えます。
人材育成のための研修、教育のみならず、職員がやる気を高めるイベントに今後も力を入れていきます。
- 新人研修 入社時全体研修 事務部研修 フォロー研修 業務ヒヤリング等
- 階層研修 新人研修 中堅職員研修 係長研修 課長研修 幹部候補研修等
- 海外研修 アメリカ救急事情調査 ヨーロッパ赤十字研修等制度有
- 人事交流 他の施設や赤十字病院との短期人事交流制度有
- 研修支援 研修会・講習会等への参加支援
- 資格取得支援 専門分野における資格取得のための補助支援制度有
事務部における業務改善等を目的として、各課の研究事例発表等を年に1~2回実施しています。各課における業務の問題等について、多数の参加者による熱心な討議が繰り返されています。
恒例の新年会や歓送迎会もとても和やかで、他の部門からの参加も多く、毎回、百名を超える参加者で楽しい時を過ごしています。
- 課長会議:月1回開催 事務部の重要事項審議決定他各課情報交換
- 課長・係長会議:月1回開催 事務部の重要事項伝達他各課情報交換
SPDシステム/委託統括システム/診療材料等共同購入参加/診療材料ベンチマーク分析/DPC分析と情報提供/各診療科稼働分析/中長期計画や年間目標の策定/患者サービス向上対策
組織体制
事務部は正職員・嘱託職員数約150名、委託、派遣職員等を併せると約200名の組織です。
下図のとおり12課の業務分担で業務遂行をしておりますが、事項によっては、各課の垣根を越えて、チームプロジェクトを編成したり、特命業務にあたる場合もあります。
課名 | 係名 | 業務 | 職員数 |
---|---|---|---|
総務 | 総務 |
庶務全般・文書管理 各運営管理 |
6 |
事業推進 | 事業推進 | ||
人事 | 人事 | 人事・労務管理・給与 | 8 |
人材開発 | 人材開発 | 研修医他研修 | 3 |
経営企画 |
経営企画 |
経営分析 病院運営戦略推進 |
3 |
情報システム |
システム管理 | 病院システム管理 | 7 |
情報管理 | 診療録等記録管理 患者データ処理整理 |
7 | |
診療支援 | 診療支援 | 医師事務作業補助 | 42 |
会計 | 経理 | 会計管理 | 5 |
購入管理 | 購入管理 |
物品・備品・機器購入 廃棄 |
6 |
施設管理 | 施設管理 | 施設環境管理・廃棄物・省エネ | 10 |
医事 | 医事 | 医事統計、未収金予防・回収 | 29 |
外来 |
患者受付算定 診療報酬算定 |
||
入院 |
患者算定 診療報酬算定 |
||
医療連携 | 医療連携 |
紹介患者受入・病床管理 退院調整 |
18 |
医療相談 | 各種相談窓口 | ||
健診 | 健診 | 人間ドック・健診 | 9 |
健診推進 | 健診勧奨 | ||
計 | 152 |
有資格者
社会福祉士、社会保険労務士、 診療報酬請求事務能力認定資格、DPC/PDPS技能認定資格、 診療情報管理士、 医療情報技師、日本赤十字社救急法指導員、 日本DMAT隊員、医療廃棄物管理責任者、医療ガス取扱主任、情報処理技術者2種 など
全国に発信する事務を目指して
事務部は、他職種に比べると、これまで学術研究活動分野には正直積極性に欠けるところがありました。しかし、必要な医療情報や医療環境情報をもとに、全職員が共通認識し、特に経営分析やDPC分析等の情報提供の仕方や研究を進めることによって、経営安定や診療の質向上に大きく貢献出来るようになりました。
これからは、事務部として病院内ではもちろんのこと、全国に向かって情報交換の場の提供、研究成果の発表などを行い「全国に発信する事務部」を目指していきたいと考えています。