例えば胃の内視鏡検査を受けた際、医師は一部をとって(「生検」と言います)病理診断科に提出する場合があります。病理診断科の技師はそれを特殊な機械で3ミクロンの薄さに切り、ガラスに貼り付け、顕微鏡で見やすいように染色をします。その標本(「プレパラート」と言います)を病理医が顕微鏡で見て悪性(癌)か良性かを診断します。もし癌であれば外科で胃を切除されますが、その切り取られた胃(「手術標本」と言います)の癌がどこまでひろがっているか、どのような種類の癌かも病理診断科で診断しています。
以上のような検査をまとめて病理組織診断といいますが、病理診断科ではこの病理組織診断を全身の臓器に対して行っています。
病理診断科では細胞診もしています。
例えば婦人科では医師は子宮の入り口を綿棒でこすって細胞をガラスに塗り、病理診断科に提出することがあります。病理診断科の細胞検査士と病理医はそれを顕微鏡で見て異常な細胞(「異型細胞」と言います)か、良性細胞かを判断します。
このように病理診断科では病気の最終診断にかかわる重要な仕事をしています。経験と技術、そして知識が要求されます。また、臨床医とコミュニケーションをとりながら診断をすることがとても重要です。